『復讐するは我にあり』 (今村昌平、1979)

今村昌平の名がフランスで知られることとなったきっかけは、イロモノ映画として仏語吹き替えで上映されていた『豚と軍艦』を、ヌーヴェル・ヴァーグのシネアスト達が『発見』したからだと言う。

私はそう多数の今村映画を知っている訳ではないけれど、たとえ画像の悪いビデオを我が家の小さいテレビで観ていても、最後まで引き込まれて目が離せないのだからすごい作品群だなぁと、今までつくづく思わされてきた。

だけど・・・今回はそういかなかった!!




これは、寝る前に見る作品でも無ければ私の好みでも無い。

(全くもっての選択ミス・・・何しろ前々から名前だけを知っていたので、内容も確認せず見始めてしまいました。)

胎動も始まっている今(観たのは先週です)、リアリティーのある殺人シーンに見入るのになんとなく抵抗を感じてしまったというのも、あるのだろう。

演出にも演技にも文句のつけようが無い。
(緒方拳は言うに及ばずで、小川真由美という女優の名前は初めて聞いたけど、クレジットが先になっている倍賞美津子よりも頑張っていたのでは?)

だけどとにかくじめじめしていて、今村作品らしい『生』への執着があるんだか無いんだかよく分からない、とにかく『負』のパワーが強いこの世界観について行けなかったのだから、仕方ない。

(あ、いつもの『性』への執着はこれでもか、というぐらいあったんだけど。)




私が映画を観る時につい主観が入ってしまうのも、観る環境によって感想が変わってくるのも、当然のこと。

いつか出産も終えて大スクリーンで再見したら、少しは感想が変わるのかな?と思ってます。


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我が家にある『復讐するは我にあり』のDVDは、『ええじゃないか』(1981)との2枚組みです。
ちなみに『ええじゃないか』は、途中まで観たまま続きを観ていません・・。
こんなの私には滅多にない事で、まさかこんな現象が今村作品で起こるとは思ってもいなかったけど、それは映画うんぬんの問題ではなくて、ただ単に私の苦手な時代劇(?)で、しかも登場人物が多すぎてついていけないからだと思います・・。