久々の・・・そしてここでは最後のパリ日記


今後、よそでブログを書こうかと思っています。


今回がこのブログにおけるおそらく最後から2番目の日記になるので、久しぶりにパリらしいことを書いてみます。


(はりきりすぎて、しかも久しぶりの長時間1人外出の日記なので、ものすごく長くなってしまいました・・・。)




















せっかく素敵な場所に住んでいても、その魅力を享受できない時期っていうのが人生には、ある。


私の場合、パリで大学院で論文を書いていた時とか、子育てしつつ半日働いている今とか。
(という訳で、今日の1枚目の写真はパリでやさぐれるポトくん。)





















『メトロ・ブロ・ドド(metro boulot dodo)』という言葉がある。


『メトロ・仕事・睡眠(だけのつまらない日常』という意味なんだけど、今の私の生活はそうなのかもしれない。


そりゃ、午後も早々に家に帰れば天使がいるけどさ・・。



(ディノに言わせると、この写真のポトの顔は日本的らしい。そうかな?)


とにかく、メトロのみで感じるパリには魅力がない。


まずは薄暗くて、私も含めてみんな疲れた感じで乗っているし・・。



ほんとにほんとに、汚いし・・・。



そういう時は「もう、いいや。この先パリから離れて暮らす可能性だってあるけど、別にそれはそれで構わないや・・・」なんて思っちゃう・・・。

















しかもここ最近は家族3人での団欒も以前に比べて激減し(理由は
この日記の出だし参照)、とにかくストレスが溜まって腐っていた私。


ある日
「明日は映画に行って来るからね!(だからポトの子守りよろしくね)」
と、鼻息荒くディノに宣言したものの・・・・当日もいつもの疲れで足の裏が痛くて辛かった(私の疲れは足に出ます)。


しかも近所に買い物に出かけたディノは、私の出発予定時間が過ぎてから戻ってくるし・・・映画間に合わないじゃん!!


「もう出かけるのやめる!!」


私は投げやりになっていたけれど、危機感を抱いたらしいディノ(苦笑)がタクシーを呼んでくれたので、迷ったけどやっぱり出かけることにしました。




















行き先は、サン・ミッシェル近く!!


車窓がすでに気持ちをはればれとさせてくれます。
(写真は暗いけど、この日はいいお天気でした。)




とりあえず北野武の『アキレスと亀』を観る事にしたので上映館の前でタクシーを降りたら・・・なんと機械に故障か何かがあり、上映は中止とか・・・・私ってなんて運が悪いの!!


















またもや腐りかけながら、ソルボンヌの辺りを歩きます・・。



こんなにお天気がいいのに、気持ちの晴れない自分が嫌。


ディノに電話したら
「ボブールのMK2でも上映しているよ。ポトの面倒は見るから(=外出時間延長して大丈夫だよ)、そっちで観れば?」
と言ってくれた。


でもこれから2時間弱も待たなきゃいけないし、足の裏が痛いから散歩も買い物もしたくないし・・・あぁどうしよう。


カルチェ・ラタンの名画座もチェックしたけれど、どこもかしこも、次の上映は結構先。


あぁあ・・・。





















・・・と、ふと気づくと、私が到着したのはバルザール


ここはブラッスリーで今まで食事しかした事がないのだけど、この時間なら飲み物だけでもOKなはず。


入ってみよう♪



中はとっても落ち着きます♪


ダメダメ、私は母乳育児中・・・と思いつつも弱い意志がまたもやくじけて、「次の授乳は4・5時間後だから」とつい、ラムのかかっているサバランを頼んでしまいました。



(ごめんね、ポトくん。でもママの心身のダメージはもう限界だったのよ・・・。)


せめてカフェインだけでも避けようと、飲み物はハーブティー


最近お酒飲んでないから、アルコールに弱くなっているはず。


眠くなってきたらどうしよう、と思っていたのに、実はこの日のサバランはかつて食べたものの様に目の前でラムをかけてもらえず、味も当時ほどは美味しくなく、そのせいか大丈夫でした。



















でもなんとなく、体の痛みは楽になったかな。


やはり酔ったのか、滑稽な自分がおかしいからなのか、機嫌の直ってきた私。


気を取り直してくつろいでいるとしばらくして、髪の白くなった、感じのいい男性がお店に入ってきて座りました。


しばらくしてまた話しかけられたのでなんとなく返事をすると会話が始まり、話を聞いていると、ちょうどすぐそばの映画館でリバイバル上映中の名作映画の撮影チームに居た人なんだとか。


超有名スターと一緒に写っている古い写真を数枚見せてくれました。
(その中でも若き日のバルドーが、ちらっとしか見なかったけどとても美しかった・・。)




















パリって、やっぱりいろんな人がいるから面白いなぁ。
(今の人、こうやってたくさんの人に古い写真達を見せているのかと思うと、これまたなんとも滑稽で面白い。)


私はふだん、「この人と今後会うことはあるのかしら?」と考えながら通りすがりの人と会話を続けるのが苦手。


なんだか気を遣うのに疲れてしまうから。


でもこの時はサバランのせいなのか何なのか、なんとなく会話を楽しめたのでそんな自分にも満足していたのです。




















それから私は、急いでボブールへ向かいました。


時間は余っていたはずなのにサバランを味わいながら食べた後、ディノに電話をして離乳食の説明をしたり今の人と話していたら、なんだかギリギリになってしまっていたから。




















そして映画が終わって外に出ると・・・もちろんもう夜。



あぁそういえばこの映画館から夜出てくると、いつもこんな光景だったかもなぁ・・と、こんな普通の光景すら懐かしい。


(本当は夜のポンピドゥーセンターや、その向かい側のフランス情緒あふれる建物の方がずっと素敵なのだけど、授乳のために帰路を急いでいたので、写真は撮りませんでした。)




















レ・アールの駅に向かって歩いていると右手に、レバノン風サンドイッチのお店が見えてきました。



あぁこれよくディノと食べたなぁ、と思わず買い食い。



ひよこ豆(だっけ?)のペーストが美味しい♪


そうそう、私、留学生活の前半、ディノと知り合う前には1人で映画を観ることも多くて、そういう時はよく帰りにクレープとか買って食べてたなぁ。


(美味しいし、家に帰ってから食べるのが面倒くさいから、というずぼらな理由で。)




















家に帰るとディノはいつも通り優しく、ポトもふだん通りかわいい良い子でした。


次の日ももちろん仕事の行き帰りにメトロに乗ったけど、いつもより少しマシに見えたかな・・。



この日記、私のブログの中で歴代何位の長さなのでしょうね?最後まで読んでくれた方、「読んだよ!」の合図に投票していただけると嬉しいです。
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