進化する夫

ついこの間ディノの困ったところを書いてしまったので、今日は彼のいいところを書きます。

時はさかのぼって去年の12月。

私は、失望していた。

クリスマスも私の誕生日も近づいてきているというのに、欲しい物が見つからなかったから。

いつも通りアクセサリーをおねだりしようと思っていたのに、困っちゃう。

プランタンを覗いても心を動かされないのは私の頭が赤ん坊の事とか日常の事とかでいっぱいだからなのか、それとも地下に移動してしまった売り場の魅力がイマイチでその気にさせてくれないからなのか？？

諦めモードでディノにその事を伝えると、驚くべき応えが返ってきた。

「あさって、ぼくがプランタンへ行って来るね」

へっ？？

なんと、ディノが１人で出かけて私のためにアクセサリーを選んでくれると言う！！

予想外の申し出にびっくりしながらも、相手の気持ちが変わっては大変と思い驚きを隠しつつお願いした。

今までのディノなら「アクセサリーなんて選べないよ」と怖気づいて、こんな発想に自ら至る事なんてなかったはず。

でも出産後に、私が指定したブティックで買ってきたブレスレットが私の気に入ったのを見て、自信が出来たみたい。

本当に翌々日にさくっと出かけて、ペンダントとピアスを買ってきてくれたのだった♪♪♪

ディノがプレゼントを持って帰って来た日はクリスマスまでまだ数日あったので、まだラッピングの内側を見ることはできない。

でもディノは嬉しそうに、どういう状況でどうやって選んだのかを話して聞かせてくれる。

そして私も、それを聞くのがとても嬉しい。

ま、彼の場合はもちろん自分の直感だけで選択する訳ではなくて店員さんにまず相談して、勧めてもらったものの中から「これがいいかな」と思えるものを選ぶんだけど・・。
（「君をイメージしてこれを選んだよ」というキザなセリフを吐くという機転はまったくきかないのが残念、なんて言ったら贅沢かなぁ？？）

私はふと思いついて、途中で質問をする。

「さっきから何度か『妻へのプレゼント』っていう言葉が出てきているけど・・・・私の大まかな年齢も教えたの？そうしないと、お店の人はディノと同年代の女性をイメージした商品を出してくると思うんだけど・・・」

「！！！！・・・忘れた・・・」

う〜ん・・・私とディノって２回り弱の年齢差があるのになぁ。

大丈夫かしら。

でもそこで、ディノが言った。

「大丈夫だよ、きっと。お店の人が『この商品なら、いかなる年代の女性でもお似合いです』って言ってたもん」

ディノが「これでいい」と思ってくれたアクセサリーなんだし、心配するのはよそうと思って迎えたクリスマスの日、プレゼントの包みを開けるとこれらが入っていました。

あら、可愛い♪

お花の形をしたペンダントヘッドがやけに大きくて、自分では選ばない様なデザインなのだけど、着けてみるとしっくりくるし、手持ちのアクセサリーとは違う毛色なのが本当にいい感じ。

こうして、私には新たなお気に入りのアクセサリーが、ディノにはまたひとつの自信ができたのでした。

ディノを見ていて「良いなぁ」と思うところはもちろん幾つかあるのだけど、その中の１つはその年齢（もうとっくに半世紀以上生きています）にも関わらず、変化を受け入れたり変わっていったり出来ること。

だからこそ私と結婚をしたり子供を育てたりの初の体験もできるのだろう。

何をするにも不器用で、いつも機転がきく訳でもなく、ある特定の分野以外には驚くほど自信がない彼には「できない」と思い込んでいる事がたくさんあるけれど、知り合ってからのこの７年で、少しずつ苦手意識が消えて「出来る事」が増えてきたみたい。

その中の１つ１つはとても小さなことだし（最初が頼りなさ過ぎたために）少しずつ変わってきた今のディノが頼もしい訳でもないのだけど、私にとってはこれはとても嬉しいことで・・・これからもがんばってね、ディノ。

ちなみにフランスでのバレンタインと言えば、男性から女性にプレゼントをあげるのが主流です。

なのでディノはバレンタイン翌日（笑）にまたもや、出産後に行ってくれたサン・ルイ島のブティックに出向いて、ペンダントとピアスを買ってきてくれました。
（今ちょっと立ち上がるのが面倒なので、画像アップはやめときますね・・。）

実はそのピアスってば、去年もらったブレスレットに合わせて私が自分で購入したピアスと色違いなのだけど（ディノにも見せた事あったのに、やっぱり覚えていないよね）、これは黙っておく事にします。

ディノは褒めないと伸びないタイプなのだから、ね。

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