『日本侠客伝』 (マキノ雅弘 1964年)
パリ日本文化会館で東映映画の特集が組まれているので、(かろうじて)1本だけ観て来ました。
全ての演技が誇張気味な上、台本もいい人はとことん良く、悪い人はとことん黒いという極端なもの。
でもここまでしっかり作られていると、そんな事全然気になりません。
人間と人間のぶつかり合いのシーンの中でも台詞が多いところになると、その熱さといい暑苦しさといい、なんだか舞台でも観ているみたい。
映画という芸術の幅広さを思い出させられます。
今からもう5年ぐらい前『ソナチネ』だったか何かのタケシ映画で、主役を演じるビートたけしがたった1人で敵のアジトに潜入して何人もの相手をぶっとばしていくシーンを観た時は「???」だったのだけど、その後ヤクザの出てくる映画を観る度に「あぁ、これがやりたかったんだな」と、改めて理解します。(そして、その後しばらくするとまた忘れる。)
色々感心したものの、(目にもとまらぬ動きに私の眼球がついていけない)戦いのシーンには大きな興味をいだく事が出来ず、途中で見られる中村錦之助の見せ場には息を飲んでいても、クライマックスの戦闘シーンではすでにうわの空だったりして・・・。
この映画は大ヒットしてこの後シリーズ化したと読んだのだけど、この間どうやって話を広めていったのかちょっと気になるなぁと思いました。