赤ちゃんベッドにまつわるおはなし
初めて赤ちゃんが我が家にやってくる事になり、私達夫婦は出産間際にたくさんのものを買い込んだ。
その中で、「これ!」と決めるのに難航したのが赤ちゃん用ベッド。
というのも、私にはどうしても外せない基準があったのだ。
一般的に、フランス人は赤ん坊と一緒に寝る習慣がない。
ポトの誕生前はディノもその例に漏れず、「日本の様に親子3人で川の字になって寝るなんてとんでもない!!」とうなっていた。
夫婦の間に子どもが割って入ることも、家庭が子ども中心になることも、許せないみたいだった。
一方の私は、赤ちゃんが生まれたら添い寝もしてみたいなと思っていた。
だけどこの話をするとフランス人はみな、否定的。
夫婦で意見が合わないので、PMIという母と子のための公共保険機関(??)の懇親会に行った際、そこで働いている人にも相談してみた。
「日本では赤ちゃんと添い寝するのはごく普通の事なので、私もできればそうしたいんです。親子で一緒に寝る機会の多い日本人が、フランス人に比べて自立性が低いとも思えないし、問題はないのではないでしょうか」
と、結びつつ。
すると、帰ってきた答えは
「そうですか。でもフランスと日本では社会的な背景も違うでしょうから・・。私には分からないけれど、日本社会に住んでいれば、添い寝をしていても自立した子どもの育つ環境があるのかもしれません。でもフランスに住んでいる限りは、添い寝しない方がいいかもしれませんよ」
・・・う〜ん・・そうなのか・・・そうだよね・・・。
自立心のある子どもになるかならないかは、もちろん添い寝するかどうかだけで決定するワケではない。
やっぱりフランスで住む以上『郷に入っては郷に従え』精神で統一しておいた方がいいのかなぁ。
こんないきさつがあって、ベッド探しをしていた時の私は添い寝の夢を諦めかけていた。
「だったらせめて・・・」
と思い、探しに探して、買ったベッドがこれ。
なんてことはない、どこででも売っているタイプのシンプルなベッド。
それもそのはず、私はマットレスはともかく、ベッド自体に大枚をはたく気持ちは無かったのだ。
決め手になったのは、お店の人の
「片方の囲いを取り外して使うことができますよ」
の一言。
そう、私は上の写真の通りベビーベッドの柵を片側だけ取り付けずに私達のベッドにぴったりくっつけ、まるで同じベッドに寝ているかの様な錯覚を味わいたかったのだから。
(でもインターネットやカタログには「側面取り外し可」とも「不可」とも表示されていないものがほとんどで、ベッド探しはものすごく難航しました。)
片側の囲いを取り付けていないせいか、このベッド実は、安定性に欠けている。
しかも、写真を見ての通り2つのベッドの間には段差があるので、ポトが寝返りを打ってこの溝に顔を埋めたら窒息する可能性もあるそうだ・・・。
だから一時期は「この子もそろそろ寝返りするかもしれない」と思って柵を取り付けていたけれど、よくよく見ているとまったくもってその気配がないのでまた外し、柵は洗濯物干しとして使っている(笑)。
そう思うと、ポトが寝返りしないのも親孝行なのかな?
実はポトは、ずいぶんと長い間このベッドがきらいだった。
なので最初の数ヶ月は昼も夜も、ベビーカーにもなりうるnacelleというカゴみたいなものに入って寝ていた。(nacelleとは、この日記1枚目の写真の中で真ん中に写っているものです。)
その間このベッドは・・・・オムツ替え台代わり&物置として使われていただけ。
手前の柵にタオルをかけてからオムツを替えればもしオシッコなどをされてもこちらの洋服が汚れることが無く、安心かつ便利なのだ。
なので実はこのベッド、「ベッド」として使われる様になった今でも、オムツ替えの台としても毎日活躍している。
話がそれたけど・・・現行通り右側の柵がない状態のこのベッドで寝てもらっていると私は幸せだし夜中のお世話も楽なので、できれば今後もこのまま続けられる様に、(寝返りする様になる日を見越して)赤ちゃんが落っこちるのを防止できるクッションを近々買ってこようと思っています。
(追記:
この記事をアップしてから買い物に出かけたら、カタログで見たことのあった落下防止のクッションは、新生児向けのものしか無いとの事でした。残念・・。)
最後にもう一度話は代わり・・・私達3人の寝室を少しだけ紹介します。
実はポトと私の頭の上には、特大ポスターが貼られています。
『雨月物語』のちょっとホラーな感じ(??)のポスターが。
これってば、今まで遊びに来てくれた日本人のお友達からはもれなく「こわい」と言われているのだけど、ポトはまだ何も分からないからかスヤスヤと寝てくれています。
そしてディノの枕元には・・・ドラキュラが。
これは、ディノがこの家に越してきた時に見つけたものだそう。
(先住者が置いていったらしい。実は上の写真に写っているマネキンもそうです。)
あっちにもこっちにも怖めの写真が飾ってあるけど、大きくなっても怖がらないでいてくれるよね?ポトくん・・・。
次回は我が家の添い寝事情について書きますね。
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