胎教、はじめました

(今回の写真はどれも、我が家の本棚に入りきらない「難民」状態の本達です。
綺麗じゃなくてごめんなさい・・・。)

1日前付けの日記に登場したニコラとその奥さんのアリスとは、私は今回が初対面。

ニコラは今は退職したものの、元はと言えば文学の先生か教授だったみたいです。

(Bの両親やディノの友達ってこういう人が多いね・・。)

貴族の出らしい2人は普段はレンヌの田舎にあるシャトーに住んでいるけれど、お子さん達の独立した現在は、今回の様にパリの小さなアパルトマンに数泊しに来る事もあるそう。







さてこの日面白かったのは、このニコラにディノとの共通点が幾つかあった事です。

彼も本好きでいつも朝の3時・4時まで読書を続けていて、しかも家は本だらけだそう。

そしてなんとニコラも赤&青の色鉛筆を使って線を引きながら本を読む人らしく、この日ももちろんその鉛筆を持参していました。

(ディノと色鉛筆の話は、この日記参照。)

「それにしてもニコラってば!!」なエピソードも、この日聞きました。

最近になってアリスが我慢の限界に達したため、二コラは所有している本の「一部」を息子達にインターネット経由で売り払ってもらったそうなのだけど・・・その数なんと・・・







約2000冊だったとか!!

それが「蔵書の一部」なのですか・・・。

パリの我が家にもトータルすると確実に2000冊以上の本があると思うけど(そして、ディノの実家にある本の数は多すぎて予測不能)、有難いことに「2000冊=一部」という公式は成り立ちません。


こんな風に我が家の本棚に入りきらずあちこちに溢れている本を見ると「私って不幸!!」と思いそうになるけれど、世の中にはもっとひどい家もあるのね・・・。

(もちろん、二コラのシャトーと我が家の敷地面積は大違いなのだけど。二コラの本は、全て本棚に整理されているに違いない。)







さてさてこのままだと題名と本文が一致しないので、そろそろ話をつなげましょう。

この日の午後、Bのお誕生会に出席した大人6人は皆のびのびと雑談を続けていたのだけど、中でも二コラとディノはずーーーっと文学や映画の話をしていました。

私はその話に時々飽きて(ついていけない事の方が多いし)、Bのママと違う話をしたりする事も多かったのだけど、アリスはかなり長い間、男2人の話に参加していました。

二コラほどではないにしても、小説や詩が好きなんだろうなぁ・・。

夫婦で共通の趣味があるのってやっぱりいいよねぇ。

私も増やしたいな。







思えば、ディノがあんなにも好きな「文学」を私も楽しめないのは残念なこと。

でもなぁー・・・小説はともかくとしても、ディノが1番好きだという「詩」はねぇ・・・日本語で書かれていてもよく分からないのに、仏語じゃもっと分からないよ・・・。

せめて生まれてくる赤ちゃんはディノと同じ愉しみを共有できる人になるとといいなぁと思っていて、ディノには子供が寝る前に毎晩絵本や詩を読んでもらうつもりでいるのだけど・・・・何もかもを赤ちゃんに託さず、私もちょっとは頑張ってみようかしら。

でも「詩を楽しむ」ために「がんばる」のはナンセンス。

そこで、いい事を思いつきました。










(この写真は、ディノのベッド横。ベッドサイドテーブルがあるのに、本に隠されちゃってます。引き出しも、開いた状態のところにバーーンと本を積まれているので、もう閉められません・・・。)

就寝時間がいつもいつもズレている私達。

ディノは超・宵っ張りなので、先にベッドに入っているのはもちろん毎日私です。

そこで、私が寝る時にはディノにベッドルームまで来てもらい、お腹に手を当てながら詩を読んでもらう事にしました。

最初、数晩にわたってディノが読んでくれたのはフィリップ・スーポー(Philippe Soupault)という人の詩集。


(今までに一度も聞いた事ない名前・・・誰それ??)

ふだん詩に一切興味を示さない私が彼の朗読を聞こうとしているので、とても嬉しそうに口元を緩めながら、はっきりした声で読み始める彼。







????????

分からん・・・。

ううん、そうじゃなくて、意味は分かったのに、でも分からないって感じ・・・。

????????

やっぱり、分かったけど分からない・・・。







ディノがディノなりに気を遣って詩を選んでくれているのか難しい言葉や表現は一切出てこないのに、どうも意味が伝わってきません。

私が
「節と節の間に、全然意味的な繋がりが見えないんだけど・・・」
と言うと、
シュールレアリスムだからね」
と、相変わらず嬉しそうなディノ。

そうなんだ・・・。

私が
「で、アナタはこの詩の意味が分かるワケ?」
と聞くと、ディノは相変わらず嬉しそうに、でもなぜか恥ずかしそうに、
「ううん、わかんない」
だって・・・。

じゃあ、私に分かる訳ないね・・。

その後ディノはなぜか照れながら、
「でもぼくね、若い頃、この人の詩が大好きだったんだ」
と、続けてきます。

あぁはいはい、その面白さがうまく説明できないながらも、今でも好きなのね。

・・・・私にはやっぱり、詩の世界は全っ然分かりません・・・・。







でも今でも、この胎教はできるだけ毎晩実践しています。

赤ちゃんにディノの声が聞こえているかもしれないし。

それに、訳の分からない詩を外国語で読まれるのは、私にとって催眠効果があるのです(笑)。

ディノは私に「今夜も読んでくれる?」と言われるとすごく嬉しそうで、頼んでもいないのに2冊も本を抱えてくる事もあるぐらい。

親子3人で満足、これぞ、一石三鳥!

(赤ちゃんが実際にこれを喜んでいるのかどうかは永遠にナゾなのだけど。)

この習慣、細々ながらも今後も続く予感です。


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