『Herz aus Glas』 (ヴェルナー・ヘルツォーク、1976年)
たまには映画のことでも。
年が明けてからというもの、主人はポンピドゥーセンターに通いつめていました。
ヴェルナー・ヘルツォーク(Werner Herzog)というドイツの監督の映画を観るために。
そこで「気乗りしないけどたまにはつきあってみるか、どれどれ」という気持ちで私も観にいったのが、この『Herz aus Glas』でした。
(仏題は『Coeur de verre』、邦題は不明。
仏題を直訳すると『ガラスの心臓』とか、『グラスの心』になります。)
あらすじはというと・・・まず、19世紀のバイエルンで先を予見できる羊飼いが、これから不幸と狂気の時代が訪れると村人に言い伝えます。
それを聞いた村人やガラス製品工房の主(?)はうろたえにうろたえるのですが・・・という感じかな。
書いておかないと存在自体を忘れそうなので一応記しておくけれど、正直私の好みではないこの作品。
ヘルツォークが俳優の大部分に催眠術をかけてから撮影したというだけあって眠たそうな眼をした登場人物達は迫力満点だったけれど、ストーリーは割とこちらの予想通りに進むし、1時間37分の上映時間が長く感じられました・・。
『出来のいい映画=お気に入りの映画』とは限らないものね。
でも主人は観終わったあと、とにかくうっとり。
どういうところが特に好きなの?と聞くと、
「詩的なところ・・・」
ですと。(そんなの分からないよ!!)
俳優達(大方は素人だった、とパンフレットで読んだ気も?)の催眠にかかった様子は幻想的だったし、遠景の美しい景色も「ただ写した」のではなく、ヘルツォークの主観が感じられるところが素晴らしかったと言ってました。
この作品を観る前から主人はすでに
「ヘルツォークの撮影した自然の姿には、彼の視線が感じられるよ!」
と言われていたのだけど、確かに、村における人物描写の合間に時々入る自然の姿は、良かったねぇ。
古いフィルムの質感も味を添えていた気もするし。
ただ・・・映画に限らず、芸術とはその良さをまず自分で感じるもの。
私にはそれができませんでした。
なので他人の解釈を聞いて自分でも同じ様に思えるかどうか試してみたけれど、それも本来なら楽しい作業なのだけど、今回は残念ながらそれでも私にはこの作品の良さが読み取れませんでした。
しょうがない、無理な背伸びは意味無いし。
という訳でこの日記は素直に書きました。
この日のおでかけは、主人孝行できて良かったかな・・という事にしておきましょう!!
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ポンピドゥー・センタHP内の、ヘルツォーク回顧映画祭のプログラムです。
もうだいぶ前に終ってしまいましたが・・。
上の写真は上映室前の廊下みたいなところで撮影。
どれもヘルツォークの作品のポスターなのだけど、残念ながらこの映画のはありませんでした。
(それにしても・・・一度誤って大きすぎるサイズの写真をアップしてしまうと、それを絶対に修復できないという、この「はてな」の機能ってなんなんでしょう??)