『歴史は女で作られる』 (マックス・オフュルス、1955年)
1月末にReflet Medicisで『歴史は女でつくられる』を鑑賞。
主人公のローラ・モンテスの顔の青さがかなりどぎついこの看板、実は作品を上手に表現しているかもしれません・・・。
(注:
この日記には、無関係なはずの映画『夢去りぬ』(リチャード・フライシャー、1955)のネタバレがあります。)
舞台は19世紀。
母親の恋人と駆け落ちしたのをきっかけにダンサーになったりリストの愛人(?)になったり、ババリア王の寵愛を受けたり、波乱の人生を歩んできたローラ・モンテス。
(なんとまぁ溝口映画にありそうなストーリー・・・。)
映画は彼女がその後、生活のためにサーカスで見世物になっているところから始まります。
その「見世物」とはなんと・・・たくさんの衣装や付き人を使って、彼女の今までの歩みを観客の前で暴露することなのです!!
私達「映画の」観客はところどころに挟まれるフラッシュバックのおかげで、それをより鮮明に見る事ができます。
映画を見てまず驚いたのは、その色彩の強烈さ。
ローラのしっかりメイクされたちょっとキツイお顔に合っているといえば合っているのだけど・・・とにかく凄いです。
ちなみに、映画の始まる前に
「この作品は公開当時商業的にうまくいかなかった為、大幅カットされました。
それを今回、シネマテークなどの助力でオリジナルの形に戻せました」
という様な説明がありました。
(もううろ覚えなので勘違いも少々入っているかも・・・と思って調べてみたら、私の記憶は合っていたみたい。詳しくはこちらhttp://lolamontes.cinematheque.fr/)
お話はすごくドラマチックだし、マルチーヌ・キャロルやピーター・ユスティノフ(サーカスの団長役)は熱演しているのだけど、ストーリーにひねりが無かったので個人的にはちょっと退屈でした。
当時映画人から絶賛されたそうなのに、私ってセンスないのね・・・。
当時の建築や衣装が豪華絢爛に再現されているので、19世紀大好きという方にはとにかく間違いなくおススメできると思います。
1つ不思議に思ったのはローラ・モンテスがサーカスに出演するというシチュエーションが、上に書いた『夢去りぬ』のラストと似ていること。
あちらは20世紀初めのニューヨークが舞台で、こちらは19世紀(サーカスのシーンはニューオーリンズで展開)。
スキャンダルの主役になった女性がそれをネタに見世物になるという文化が、この頃のアメリカにあったのでしょうか??