新年のあいさつにどきっ
(引き続き、1月初めごろの回想です。)
年が明けて仕事も始まり、職場ではしばらく、毎日の「Bonjour」が新年の挨拶に取って代わられます。
初日には、営業部のマネージャーSさん(60歳を超えているけれど15は若く見える美女)が、私の部屋にも来てくれました。
この1年が私にとって良いものになる様に願っている、と言ってくれた彼女。
「だって、あなたには子供ができるんですものね。特別な年よね」
と続いたので、内心
「あ、やっぱりSさんは私の妊娠のことを聞いているのね」
と驚きつつも納得しました。
私の知る限りでは、私の妊娠について聞いているのは私の直属の上司とジェネラルマネージャーと同じフロアで働く3人の女性の計5人だけだったのだけど、営業部長ともなればジェネラルマネージャーから聞き知っていてもおかしくはありません。
Sさんの気遣いに感謝しつつ、私も挨拶を返したのでした。
で、次の日だったかな?
新年になってから初めてエリックに会いました。
「Bonne annee(明けましておめでとう)」の後に、(私はその表現を忘れてしまったのだけど)「sante(健康)」の付く言葉を言ってくれたので、私はちょっとどきっ。
・・・どうして、今ここであえて「健康」だけをクローズアップしているんだろう?
私の妊娠について知っているのかな?
そこで私が
「どうして『健康』なんですか?」
と聞くと、
「健康が1番大事だからね!健康でさえあれば全てうまくいく!!」
と、うちの主人と同じぐらいのよく通る(&大きい)声で答えるエリック。
彼、去年暮れあたりには大変な風邪か何かで苦労していたから、余計そう思っているのかしら。
・・・ま、エリックって(実年齢を知らないから何とも言えないけど)若く見えるし気さくだから忘れちゃうけど、実はマネージャーのうちの1人なんだもんね。
やっぱり私の妊娠について知っていて当然なのかも。
いつまでも妊娠している事を隠すつもりはないのだけど、仕事上の立場(「同僚」と呼べる人はいない状態)を考えると、私にはできるだけ多くの人に同時期に報告したいという気持ちがあるのです。
かつ、やっぱり安定期になるまでは大々的に公表したくないという思いもあるので、一体どこまでの人々が私の妊娠について聞いているのか気になってきました。
そんな中なんと・・・テクニカル・サポート部のHさんも新年の挨拶の際に「健康」をクローズアップしてきました。
彼女も知っているのかしら??
そうだよね、課長の様な役職についているんだから何かの機会で聞いたのかも・・ね。
でもこうなると、だんだん意識過剰になってきます。
そこに現れたのが、アンヌ・クリスチーヌ。
Hさんの下で働く、私よりちょっと若くて笑顔の優しい女の子です。
入社して2・3年目かな?
その彼女も、新年の挨拶の際わたしに「健康」だけを願ってくれました。
・・・・あれ???
「実はもうみんながみんな知っているのかしら?」
と思いつつもこちらから確認する気にはなれないまま、今年最初の一週間が過ぎてしまいました。
週末にふと思いついてこの話をディノにすると、彼は
「うん、そうだね。
最近のフランス人は確かに新年のあいさつの際に相手にとりわけ『健康』を願ってあげる傾向が強いかも」
と言います。
「だから、別にその人達みんながMinicarの妊娠について聞いているとは言えないんじゃない?」
とも。
そっか・・そうなんだ・・と納得しつつも、何か1つピンと来ない私。
だって去年とか一昨年の新年、(その頃は働いていなかったのだけど)周りのフランス人に『健康』に関するねぎらいの言葉をもらったっけ?
全然覚えていないけど、もっと漠然とした挨拶を交わしていた気がするよ。
それとも、今年と違って去年までは「健康」という言葉に神経質では無かったから覚えてないだけかな?
そして時は過ぎ・・・2月も終わりに近づいた今となっては、年明けに何度も聞いた「健康」のつく新年の挨拶を忘れてしまいました。
このブログを書こうと思ってディノに
「あれってどんなのだっけ?」
と聞くと、彼はフランス語が母国語であるにも関わらず
「え〜と・・何だっけ。『XXXX』かな?それとも『△△△△△』かな?
うーん・・どっちもピンと来ないなぁ・・え〜っと・・・」
と苦しんでいます。
そして最後に、
「だってぼくは、新年の挨拶で『健康』を強調しないからさ」
と、言い訳。
(^^)なんだ、ディノってば私と一緒じゃない!!
よくよく考えれば私がディノのフランス語に影響を受けているのは当然なのだから、こういう共通点があるのも当たり前の事なんだけど、それがちょっと嬉しかった今日の午後でした。
写真はギメ美術館とその近所です。
今年も年明けからずいぶんと長い間、こんな灰色の空が続いていました。