お国柄の違い?? 〜武田鉄也とトラック
(今日は思った事を独断と偏見でとにかくダラダラと書きます。)
病院選びで疲れてクサクサしていたころ、YouTubeで昔のドラマを探していました。
結構最終回が思い出せないものが多いので、見たら面白いかな・・なんて思って。
と、偶然ぶちあたったのが『101回目のプロポーズ』。
よりによって、過去に婚約者を事故で失った浅野温子が
「失うのが怖いの(だからもう人を愛せない)」
みたいな事を言い、それを受けて武田鉄也がいきなりトラックの前に飛び出し
「僕は死にましぇん!!」
とか叫ぶシーンでした。
そしてその後ぶちあたったのが(早く寝なよ私・・)、ウッチャンナンチャンによるパロディー。
お笑いはほとんど見ない私でも、このおかしさは分かりやすいので楽しく見て、ついでにディノにも見せる事にしました。
ディノはまずドラマを見て
「え?なぜこの男とこの美女が??」
というごくありがちな疑問を、次にパロディーを見て
「ええ??なぜ、この男(ナンチャン)があの美女の役を????」
というこれまた当然の疑問を私にぶつけてきました。
ここまでは私も説明できたのだけど、困ってしまったのは3つ目の質問です・・。
だって、あらすじや台詞の意味もきっちり教えてあげたと言うのに、
「どうしてこの人はトラックの前に飛び込んだの?」
なんていう質問をしてくるんだもん。
内心「どうして分からないの?」と呆れつつも説明しようとすると・・・うまくできません・・。
当時多くの人に感動と笑いを与え、有名になったこのシーン。
武田鉄也がトラックの前に身を投じるのは
「浅野温子の抱えている不安を取り消してあげるためなんだろう」
とか、
「自分は決して死なないと証明したいんだろう」
なんて思ったけれど、それをあえてディノに説明しようとすると難しい・・・。
私の頭の中にはなぜか、
「だって別に、今回死ななかったからと言って、また同じ事をしてみたらその時には運悪く死んじゃうかもしれないんだし。
この晩は無傷だったからと言って、一体何が証明できると言うんだろう?」
なんて言うクール過ぎる考えが急に浮かんできて、自分自身でもこのドラマのシナリオの意味が分からなくなってしまったのです。
そして結局、彼の3つ目の疑問を解明してあげる事はできませんでした。
でもね、今こうして日本語でぐちゃぐちゃ書いていると、あのシーンの意味がまた思い出せた気がします。
「愛する人に信じてもらうために危険を恐れず行動する男気」
とか、
「愛するあまり理性の聞かなくなった情熱」
とかが、彼をあの行動に駆り立てたのよね、たぶん。
だけど、やっぱりダメ。
この理屈を仏語でディノに説明しても、きちんと納得してもらえただろうという確信が持てないのです。
日本に比べると、フランスでは「誠意」の素晴らしさがあまり認識されていない気がするのだけど、それと似てるかな?
人間ドラマにおいては「結果」だけでなく「経過」や「気持ち」も重視する(事に一応なっている)日本と、必ずしもそうとは言えない(と思う)フランス。
ディノがこのドラマの見せ場に納得できないのにも、私が納得させられず匙を投げてしまうのにも、2国の違いが反映されている気がしてなりません。
私とディノは割と似た価値観で生きているけど、やっぱりどこかが違うんだよなぁ・・と改めて思ってしまった出来事でした。