フランソワーズ・アルディのサイン会(前編)
去年の11月25日は、シャンゼリゼのVirgin Megastoreで行われたフランソワーズ・アルディの自叙伝『Le desespoir des singes... et autres bagatelles』発売記念サイン会に行ってきました。
とは言え、今回の日記はサイン会の前の出来事の主観的な描写です。
アルディのみに興味がある方は次に更新する予定の日記のみを読んでくださいね。
(ちなみに、上の写真はサイン会終盤に撮りました。)
実は同月の14日に予定されていた彼女のサイン会。
(その日の出来事は旧ブログのこの日記
http://plaza.rakuten.co.jp/minicarparis/diary/200811160000/に、
私のアルディ感はこの日記
http://plaza.rakuten.co.jp/minicarparis/diary/200811150000/に
書いています。)
今回は14日に知り合ったアルディの大ファンのジャックと事前に連絡を取り、
「6時開始だから、5時半を目安に並び始める」
ことにしていた。
(ちなみに前回ジャックが自己紹介した時の言葉は
「ジャック・○○(名字)です。
下の名前はアルディの旦那と一緒ね」
でした(笑)。)
6時25分前に着くと・・・アルディの新刊を手にした人達が並んでる並んでる。
どうもエントランスホールの奥にすでに数列あるみたいで、そこが早々から並んでいた人達のブロック。
建物をかろうじて中に入ったところにジャックが居たので(つまりここは2個目のブロック。彼は私より5分ぐらい前に来ていたみたい)、彼に合流する為にちょっとだけ割り込みさせてもらっちゃいました。
並んでいても、最初の30分は穏やかな気持ち。
だって周りはみんなアルディファンで、世間話代わりにアルディの事をしゃべっているのも楽しかったから。
並んでいる人は上が60歳前後、下が20代といった感じかな?
やっぱり私より上の世代が多いみたい。
さて、ぺちゃくちゃしゃべって気を紛らしてはいたものの、6時を過ぎてから結構な時間が経っても私達は一向に前に進ませてもらえず・・・みんなの間にだんだん「おかしいな」という不穏な空気が流れてきました。
前回ジャックから
「ファンが多すぎると、アルディは最後の人までサインできなくても帰っちゃうことがあるからね」
なんて聞いていた私は、だんだん心配になってきた。
もちろんそれは周りも同じことで・・。
ちなみに好奇心半分で後ろを振り返ると、長い列はシャンゼリゼ通りまではみ出していました。
でもあまりにも列が進まないせいか最後尾の人達はある程度並んだあと諦めて帰ってしまうみたいで、列は微妙に伸びたり縮んだりしつつも、一定以上の長さを超えることはありませんでした。
そんなこんなで気づくと・・・時計はいつの間にか7時を超えています。
つまり、もう1時間半経ちっぱなし。
・・そういえば私は妊婦、しかも安定期からはまだ程遠い時期。
いくら一応建物の中に居るとはいえ開け放たれたままの状態の入り口からは外気が入るから体も冷えてきたし、こんな事していていいのだろうかと不安になってきた。
ごめんね、赤ちゃん!!
それにしても・・・一歩も前に進めないままもう7時って・・・サイン会は7時半までの予定なのに?!
何かがおかしい。一体どうして??・・・と思っていたら、どうやら私達の前のブロックの人達は、アルディと長々とお話ししているらしい。
持参しているのも新刊だけではなく過去の古いCDとか、彼女がブラジルかどこかで行なったコンサートのプログラムなど多岐に渡り、持ってきたCD全てにサインしてもらっている人もいるとか・・なんてこった!!
アルディも、少しはそんな彼らの話を切ってくれたらいいのになぁ。(私って鬼??)
ジャックも
「量より質を重視するのは彼女らしいよ」
と言いつつ、元気がありません。
7時10分をまわり、もうだめかも・・と私が失望と一種の腹立ちでやりきれない気持ちになってきた頃、急に私達のブロックも前に進めるようになりました!!
だけどまずは、このブロックの最初の10人だけ・・・私達は入れません。
それでも辛抱強く待っていると、また更に10人だけ前へ進める事に。
その時、私にはとても嫌な予感がした。
だって・・・向こう側には、1ブロック目の人達がまだたくさん並んでいるのが見える。
サイン会終了予定時刻までは、もう20分を切っているというのに!!
もしかしたら今回の「10人」が、サインをもらえる最後の10人かもしれないなぁ・・。
そう思った時、自分が最初に割り込みをしていた事が思い出された。
もし最初に、ジャックの立っていた場所に割り込まなければ私はあと15人分は後ろに並んでいたはず。
ここで、ジャックと一緒に前に進んでしまうのはズル過ぎるのでは・・。
そう思った瞬間、我さきにと進む人達の中で私は絶望のあまり目を閉じて叫んでいました。
「私は後で追いつくから!!みんな先に行って!!」
『後で追いつく』と言ったものの、この機会を逃したら前に進める保証はありません。
感情の高ぶっていた私はすっかり悲劇のヒロインになりきってしまい、沈没していくタイタニック号からボートに乗り込む権利を他人に譲る人の様な、戦後の引き揚げ船に乗るチャンスを自ら失っていく勇敢な人間の様な気分になっていました・・・。
(おかしな展開になってきたけど続く・・・。)